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実施主体

筑波大学
人間総合科学研究科 芸術専攻

代表者 藤田直子(環境デザイン領域 教授)
https://www.tsukuba.ac.jp/
〒305-8574 茨城県つくば市天王台1-1-1 

支援主体

つくば市

都市計画部 市街地振興課
周辺市街地振興室

https://www.city.tsukuba.lg.jp/shisei/joho/soshiki/toshikeikaku/1003516.html
〒305-8555 茨城県つくば市研究学園一丁目1-1

協力主体

  • 大曽根・花畑・筑穂地域活性化協議会

  • 吉沼、元気!協議会

  • 栄市街地活性化協議会

  • 上郷市街地活性化協議会

  • 谷田部市街地活性化協議会

  • ​高見原地域活性化協議会(設立準備中)

© 2019-2020 つくばR8ロゲイニング 筑波大学芸術系環境デザイン領域内

  • 今村 明日香

上郷の境界物 道祖神編

みなさま、初めまして。今村明日香です。

筑波大学大学院で環境デザインを学ぶ、修士2年の学生です。


私はもうつくば市に住み始めて6年目なのですが、

先日、つくば市上郷に初上陸いたしました…!


(写真1 2019/11/27 川口公園にて)


つくば市上郷は常総市との境にある小貝川を有し、

川による様々な恩恵を受け、自然と共生してきた地域です。


R8ロゲイニングは、つくば市のリージョン8と呼ばれる地域で、

地域に住む皆さんやつくば市の他地域に住む皆さんに、

古くから続くつくば地域の持つ魅力を再発見してもらうための取り組みです。


現在は大学院生と大学生で協力して、地域の魅力を発見するため

それぞれ担当の地域へ実際に足を運んで取材を行なっています!

本記事では、私なりの視点から上郷の紹介をしてみたいと思います。



1. 境界物ってなに?


今回、私が記事にするのは「境界物」についてです。

私は大学4年生の時に「街の中にある境界」についての卒業論文を書きました。


(写真2 2017年筆者作成 まちの境界について)


簡潔にまとめると、

空間として区切られている訳ではないけれど、

そこに何かがある(石・鳥居・橋)だけで、

空間の意味が区切られていることがあるのです。


例えば、鳥居は神聖な領域の入り口です。

昭和の頃には、喪に服した人(一年以内に身内に不幸が会った人)は

穢れをまとっているとされており、

鳥居をくぐり、その先の空間へ入ることを禁じられていました。


つまり、鳥居があることによって、神聖な空間とそれ以外の空間の境界ができているということです。

このように物理的に空間を遮断していなくとも

空間の意味を区切る機能を持つものを「境界物」として定義しています。


2 . 境界物としての道祖神


そして、今回紹介する境界物は「道祖神」です。

道祖神は字の通り、道の脇であったり、道と道が交差する場所に置かれている石像・石碑です。

「道祖神」と文字が掘られている石もあれば、仏様が掘られているものもあり、

中でも夫婦の仏様が描かれていることが多いです。


さて、道祖神とはもともとどのような意図で置かれるようになったのでしょうか?

そのヒントは交差点にあります。


現在では交差点といえば道路も整備され、信号があり、看板で名前がつけられています。

しかし、道路が整備される以前は、交差点は”辻”と呼ばれ、

それぞれの村や街へ続く道の交わる場所であったことから、

時には辻から悪しきもの(穢れ、悪霊)が入ってきてしまうと考えられていました。

今ではなかなか考えられないのですが、昔はこのような悪しきものが災いの原因と考えられてきていたのです…。


そこで、辻に道祖神を置くことで道を守ってきたのです。

道祖神は村や街ごとに置かれるものとしても考えられるため、

道祖神が置かれている=村の領域を示す、

いわば境界物でもあります。


今は悪しきものとか、目に見えない力に対する意識そのものがなくなってきていますし、

これからのまちづくりで新たに道祖神が置かれることはほぼ無いと思っています。

なので、道祖神が見られるまちというのは、

今も、そしてこれからも貴重であり、昔の人の土地に対する知識を学ぶことのできる

ヒントにもなるのではないでしょうか。



3 . つくば市上郷の道祖神


それではお待たせしました、上郷で見つけた道祖神の紹介です。

今回は2つの紹介になりますが、

おそらく、上郷にはまだまだたくさんの道祖神があるのではないでしょうか。



まずは1つ目はこちら。



写真を撮って帰れなかったのでgoogleストリートビューでの紹介です。

上郷の坂東太郎とファミリーマートをのある交差点から

国道133号を南の方向にちょっと入ったところにありました。

石のある場所は三叉路になっています。

ファミリーマートのある交差点が大きい道との接続箇所になっていますが、

石のある道の交わる場所が、昔は主要な道だったのかもしれないですね。



そして2つ目はこちら!


(写真3 2019/11/27撮影)


仏様が描かれている道祖神です。首チョンパされていますが…(^_^;)

この道祖神は小貝川沿いの道の茂みの中にあるようです。


小貝川は蛇行も多く、洪水を起こすことで知られています。

下館河川事務所の記録によれば、1981年・1986年に堤防が決壊しています。

2019年の台風19号でも、越水の危険ありで避難勧告が出ていました。


小貝川は恵みをもたらしてくれる自然信仰の対象でもあり、

時には怒り、災いともなる存在であったことから、

このような道祖神が置かれたのかもしれません(あくまで私の推測です)。



4 . おわりに


今回は、境界物の中でも「道祖神」にフォーカスして、上郷を見てみました。


「なんでここに道祖神が置かれたんだろう?」

「もしかして、昔はこうだったのかな?」「こんな思いがあったのかな?」


こんな風に思考を巡らせながら町をみてみると、

また新たな発見がありますね…!


上郷に来たら、ぜひ、道祖神を探してみてくださーい!


Asuka Imamura

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